menu

【リリース】株式会社今治.夢スポーツ 2020年度 決算報告

2021年04月27日

株式会社今治.夢スポーツは、令和3年4月27日に定時株主総会を開催し、第19期(令和2年2月1日から令和3年1月31日まで)の事業報告、決算書類報告を行い、承認されましたのでお知らせするとともに、事業報告の一部を掲載させていただきます。

企業集団の現況に関する事項

1.事業の経過及びその成果

「次世代のため、物の豊かさより心の豊かさを大切にする社会創りに貢献する」という企業理念のもと、サッカークラブ運営事業、野外体験研修事業、公園指定管理事業など、さまざまな事業に取り組んでおりますが、今期は新型コロナウイルス感染拡大の影響を大きく受けた一年となりました。そんな中でも各事業が、"今だからできること"を考え、試行錯誤しながら、新たなチャレンジに取り組み、また来るべき時に備え準備を整えてきました。今期の当社のスローガンである"深化成長"をまさに体現することができたと自負しております。

また、中長期的な視点に立ち、営業1名・広報1名、経営企画1名の計3名を翌期入社スタッフとして採用を決定しました。 損益の推移は下記のとおりであります。

後述するスポンサー収入の増加により総売上高は順調に推移し、販管費及び一般管理費も年々増加しているものの、今期はコロナ禍による各事業の活動縮小により、当初見込みより大幅に支出を抑える事ができました。その結果、今期は55,462千円の経常利益、35,643千円の当期純利益となりました

20210426_1.png

各事業の取り組み及び業績は以下のとおりであります。

【FC今治 トップチーム】
2019シーズンにJFLからJ3への昇格を果たし、2020シーズンはJリーグ初参入となるメモリアルイヤーでした。しかし新型コロナウイルスの影響で3月の開幕戦は延期となり、以降6月まで開催できない状況が続き、ようやく7月に開催されたホーム開幕戦は無観客試合、2戦目以降有観客試合になるも、5,000人収容のスタジアムに対して、着座席数4,600席の50%である2,300人を上限とする入場制限下での開催となりました。
この影響で期初に販売していたシーズンパスは全額返金対応となり、入場者収入は想定より大きく落ち込む結果となりました。
その一方で、当社の収入の柱であるパートナー収入に関しては、JFLからJ3にカテゴリが上がったことによるパートナー料の増額及びパートナー数の増加により、前期の445,896千円から539,520千円と前年比121%を達成することができました。コロナ禍以前に契約を終えていたことが大きな要因であると認識しておりますが、コロナ禍以降も減額することなくほぼすべてのパートナー企業様に1年間通してご支援いただきました。当社の理念や事業に共感いただき、困難な時期も応援いただける関係が構築できつつあると、再認識することができました。
また、試合のない期間、選手のファンサービスも禁止されている状況の中で、「どうすれば日常の中でFC今治を身近に感じてもらえるか。」を考え、様々な施策にチャレンジしました。SNSを通じたメッセージ配信やトークライブ配信、スタジアムグルメとのコラボ企画など、コロナ禍の状態でなければ取り組まなかったことも多くあり、新たな知見、ノウハウを蓄える機会となりました。
ファン、サポーターの皆様との接点を持ち続けた結果、ECサイト等を通じたグッズの売上は堅調を維持し、ホーム戦の入場制限下の中でも昨年とほぼ同額の売上を確保することができました。パートナー企業の社員様や今治市役所職員様による一括購入や、愛媛県によるグッズ購入促進事業も売上増に寄与しております。
トップチームは、最後まで昇格争いに絡んだものの、結果は15勝10分9敗、勝ち点55の7位に終わりました。J2昇格条件である2位チームとの勝ち点差は6でした。2021シーズンに向けて手応えのある戦績を残すことができました。

【FC今治 アカデミーメソッド】
FC今治の下部組織であるU-18、U-15、U-12とレディースチーム(トップ/NEXT)も、新型コロナウイルスの影響を受け、トレーニングが実施できない期間があり、公式戦も延期、また県外への遠征、合宿も実施できず、我慢の一年となりました。
トレーニングが実施できなかった期間があったため、アカデミー収入が落ち込みましたが、一方で、県外への遠征や合宿のための旅費交通費・宿泊費が不要となったことから、支出面が大幅に削減されることとなりました。
夏秋ごろから徐々に公式戦も再開され、各年代それぞれ年を重ねるごとに成果を残せるようになってきました。四国のJクラブの下部組織や、強豪クラブにも勝利する試合が増え、上位リーグに昇格、所属する年代も増えてきました。
レディースのトップチームは、女子プロサッカーリーグ「WEリーグ」の2021年9月開幕に伴い、アマチュア最高峰の「なでしこリーグ」参入及び1部リーグへの昇格を目標に設定しました。また全国大会である皇后杯では、今年初の2回戦進出を成し遂げました。
FC今治リスタート以降取り組んでいる、「岡田メソッド」を用いた一貫指導と、日本一質の高いピラミッドの構築を目指す「今治モデル構想」の二つが着実に実を結び、指導者、選手の成長に繋がり、結果としても現れてきています。
「岡田メソッド」に関しては、日本電気株式会社(NEC)様と協業しIT化を進め、スポーツ育成支援プラットホームを共同開発しました。また中国の内モンゴル自治区教育省が実施する学校サッカーの指導者養成事業に、Eラーニングでのコーチングセミナーの実施という形で関わりました。

【FC今治 ホームグロウン事業】
年中から小学6年生までを対象にしたサッカースクール、今治市内の幼稚園・小学校を対象にした巡回サッカー教室(無償)を中心に活動しておりますが、こちらも新型コロナウイルスの影響で実施できない時期が続き、スクールの月謝収入の落ち込みがありました。そんな中でも地道な活動を続け、着実にサッカー人口の増加に貢献してきました。
サッカースクールの会員数は358名、巡回サッカー教室は、小学校25校、幼稚園/保育所/認定こども園37か所を対象に実施し、合計実施人数は2,004人を記録しました。
また、障がい者を対象にしたサッカーイベントも企画し、今期は5回実施、のべ117人の子どもたちにサッカーを楽しんでもらうことができました。

【グローバル事業】
中国のサッカークラブ「浙江緑城」のU10~U16 年代を対象に指導者を派遣しておりますが、こちらも新型コロナウイルスの影響で指導者7人中、期初は2人しか入国することができず、残りの5人は日本での自宅待機を余儀なくされました。そんな状況の中で、先発で入国した2人のコーチが現地でトレーニングに取り組み、日本で待機している5人のコーチは現地とコミュニケーションを頻繁に取りながら、準備や勉強を進め、我慢の時期を過ごしてきました。その結果、合流後もスムーズに指導に入る事ができ、各年代で素晴らしい戦績をおさめ、コロナ禍の状況の中でも浙江緑城との信頼関係をより強固にすることができました。
その結果、コーチの稼働が前期より減少したにも関わらず、グローバル収入は前期とほぼ同額を確保することができました。

【野外研修事業】
野外体験を通じて、"遺伝子にスイッチを入れる"をキーワードに「生きる力」や「感受性」を育むプログラムの実施、また社会人を対象にしたチームビルディング研修の実施などを行っています。こちらも新型コロナウイルスの影響で当初予定していた研修が延期、中止となり、活動できない時期が続きました。
その結果、収入は前年比15%と大きく落ち込みましたが、今期より入社した新入社員2名の教育、中途スタッフ1名の受入に十分な時間を充てる事ができ、研修のフィールドとなる森林の整備を進めることができました。
また、今期初の取り組みである、愛媛県職員を対象にしたチームビルディング研修では、今治の企業の同世代の従業員の方々にも参加いただき、お互いにとって刺激となり学び・成長につながる機会を提供することができ、新たな知見とノウハウを蓄えることができました。

【アースランド事業】
今治市から指定管理を受託し、西部丘陵公園"しまなみアースランド"を管理運営しております。公園の管理運営業務だけではなく、幼児を対象とした、森の中で生き物や植物に触れ合うプログラムや、富良野自然塾から導入した環境教育プログラムを実施しております。新型コロナウイルスの影響で期初は公園利用者も減少し、プログラムも実施できない時期が続きましたが、秋冬に向けて徐々に人々の動きが活発になり、公園で散歩する方も増え、プログラムも再開し、延期分を取り戻すためインストラクターがほぼ毎日稼働する日々が続きました。
また、プログラムの少ない時期に花壇の整備を実施し来園者満足度に繋がる準備ができました。来園者の方には、コロナ禍の状況下で自然に触れ合うことで心のゆとりを感じていただけたのではないかと感じています。
また12月には新たなチャレンジとして広い公園を活用した「スカイランタンイベント」を実施し、約1,000人の方々に参加いただきました。このチャレンジは新たなニーズの発見、新たなターゲット層の獲得につながり、アースランド事業にとって大きな一歩となりました。

2.対処すべき課題

【変化への対応/社内コミュニケーション】
新型コロナウイルスを始めとした様々な要因により、人々の価値観やライフスタイルは今後大きく変化し続けていくと予測されます。その変化にしなやかに対応し続けていくことが、当社にとって重要な課題だと認識しております。
そのためには各事業のさらなる深化成長はもちろん、事業間でのコミュニケーションを増やし、情報共有の質と量をあげていくことが必要だと考えています。
その結果、事業単体では成しえなかった相加相乗効果を生み、さらに新たな取り組みや事業が生まれると考えております。
具体的な施策として、コミュニケーションツールの見直しや社内情報共有システムの導入及び運用、スタッフ研修の実施、所属グループの垣根を超えたスタッフ間で組織されたプロジェクトの実施、スタッフが気軽に交流できる風土づくりに取り組んでいきます。
スタッフ研修に関しては、野外体験事業のノウハウを活用したチームビルディング研修の実施、プロジェクトに関しては後述する「ホームタウンプロジェクト」、 風土づくりに関してはランチ会の定期的な開催や、スタジアム・アースランドを全スタッフで清掃する"夢スタデー"、"アースランドデー"の開催などを予定しています。

【ホームタウンプロジェクト】
将来のJ2リーグ、J1リーグへの昇格を見据え、当社の理念や取り組みに共感し、応援いただけるファン・サポーターの人々、支援いただける企業・団体の方々を増やしていくことも重要な課題と認識しております。その実現のため、「ホームタウンプロジェクト」を立ちあげ、ホームタウン今治市のさらなる深堀り、そして今治市近隣の3市1町(西条市・新居浜市・四国中央市・上島町)とのさらなる関係性向上、認知度拡大のためのアプローチに取り組んでいきます。

【広報】
各事業およびプロジェクトの取り組みを今まで以上により多くの人々に知っていただくため、広報体制を整えることにも取り組んでいきます。スタッフの育成、各事業の情報が広報グループに集約される仕組みづくり、戦略的な広報展開を進めていきます

トップパートナー
/ 共生社会実現パートナー

エグゼクティブパートナー