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環境教育対談(前編)

2020シーズン、今治.夢スポーツとソーシャルインパクトパートナーのデロイト トーマツグループによる新たな取り組みとして、今治.夢スポーツで取り組んでいる環境教育の拡充のために環境教育冊子の作成及び今治市内小学生への配布を行います。 双方の担当者が想いを語った対談を2回にわたり紹介していきます。


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黒澤さん、田中さん、本日はよろしくお願いします。まずはお二人の自己紹介と環境問題についてのご自身のお考えを教えてください。

皆さん、こんにちは。デロイト トーマツ グループで広報を担当しています越智です。デロイト トーマツ グループは日本初の全国規模の監査法人として1968年に誕生し、半世紀を経て現在は国内約30都市に公認会計士、税理士、コンサルタントなど1万人以上の専門家を擁する総合プロフェッショナルファームです。私たちのサービスや事業活動は幅広い専門領域に及んでいますが、それらを束ねる共通の基軸として、デロイトの全世界のメンバーファームが共有するpurpose、"Deloitte makes an impact that matters"を掲げています。Impactを追求する中で、気候変動イニシアチブWorldClimateも今秋から始まりますが、教育、スキル開発、機会創出の3分野で2030年までに全世界で累計5千万人の人々に対してポジティブなインパクトを及ぼすことを目指すWorldClassという取り組みがあります。ダイナミックな変革のカタリストとして、2030年までに200万人の人々に対してインパクトを及ぼすことを目標に掲げ、取り組みを推進しています。

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【田中】
こんにちは。デロイト トーマツの田中祥子です。
私は法人でCSR 関連の業務を担当しているので法人の温室効果ガスの排出量の把握などはしていましたが、今回の取り組みを通じて改めて地球が向き合っている大規模な変化に対しての現状を知ることができました。例えば、気温が上昇したり大雨洪水が頻発したりしていますが、これは2040年くらいまで続くことが避けられないという調査結果が出ています。身近な問題として考えると、海の温度が上昇すると鮭や昆布が採れなくなるので鮭弁当がなくなったり、昆布の出汁がとれなくなったりと、環境の変化により日本の食文化も危機に瀕することになります。

大人にとっては、特に年配の方にしてみれば、自分が生きている間は鮭も食べられるし、昆布の出汁もとれるよねと考えることもできます。そうすると、いくら環境問題が大変で地球がこんな状態だ、と言ったところで、実はあまり実感として感じられない人も多いのではと思います。自分が亡くなった後の地球がどうなろうと関係ないと思う人がいてもおかしなことではありません。そこで私たちは諦めずに、たとえ変わらない大人たちがいたとしても、子どもたちに対して「あなたたちがこれから生きていく地球を大切にしなくてはならない」と働きかけていくことが大切だと思います。

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サッカークラブFC今治の運営会社である今治.夢スポーツが環境教育を行っているのはなぜなのでしょうか?

【黒澤】
確かに今治.夢スポーツ=サッカークラブFC今治の運営会社という印象が強いのですが、私たちは「次世代のため、物の豊かさよりも心の豊かさを大切にする社会創りに貢献する」という企業理念を掲げていて、企業理念の達成を目指す事業活動の一つとして教育事業も行っています。

「次世代のため」なので、私たちさえ良ければ良いのではなくて、未来の子どもたちのために何ができるのか、何を残せるのかという視点で「物の豊かさよりも心の豊かさを大切に」しようという心を持った子どもたちの育成に寄与したいという想いを持ちながら環境教育を行っています。

【田中】
私自身も今回、環境教育冊子の作成に関わらせていただくまでは、今治.夢スポーツはサッカークラブの運営会社であるという認識しか持っていませんでした。経営理念に「次世代のため」という言葉が入っていますが、子どもたちのためにという趣旨が入っていることが改めて驚きでしたね。

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具体的にはどのような形で環境教育に取り組んでいるのですか?

【黒澤】
私たちが今治市から指定管理委託を受けている「しまなみアースランド(今治西部丘陵公園)」では、小学5年生向けの環境教育プログラムと、未就学児向けのmoriccoという2つのプログラムを行っています。

環境教育プログラムについては、「北の国から」で有名な脚本家の倉本聰さんが考案し、倉本さんが主宰している富良野自然塾で行われているプログラムをアースランドでも実施しているというという形です。研修を受けて資格を取得したインストラクターが自然の大切さや地球の構造、生き物の誕生の歴史といったものを、地球の46億年の歴史を460メートルの道に置き換えて案内しています。環境問題というと堅苦しくてとっつきにくいイメージがありますが、脚本家である倉本さんらしく、ドラマチックに作られていて、頭で理解するというよりも心で理解するものという内容になっています。

実は岡田さんもインストラクターの資格を持っていて、時々案内してくれるのですよ(笑)

今治市の教育委員会と連携して、市内のすべての小学5年生が参加しているだけではなく、企業研修で導入されていたり、一般の方の受け入れも行ったりしているので、年間1600人程度の参加者がいます。

moriccoは環境教育プログラムを小さい子どもたち向けにアレンジしたものです。自然の中での体験活動を通じて、他の生き物と共に生きていくという視点に気づけるようなプログラムになっています。

始めてから8年くらい経ちますが、今では今治市内の8割くらいの幼稚園、保育園から年間のべ2700人以上の子たちがmoriccoを体験してくれています。

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【田中】
8月に岡田さんからアースランドで行っている環境教育に関するお話を伺った際に、「地球は子孫から借りているもの」というネイティブアメリカンの言葉を引用されていました。46億年の歴史の中で平均気温が1度2度上がることは多々あったことですが、人類が登場してからの数百万年という、地球の歴史上、ほんのつい最近の間に、私たちはあまりに大きな変化を地球に対して起こしてしまった。だから、気候変動や気候危機という問題が今生じしているのではないかと思います。そんな時代に、「地球は子孫から借りているもの」という謙虚な考えで今治.夢スポーツさんは環境教育に取り組んでいることを知り、感銘を受けました。

プログラムに参加している子どもたちの様子はいかがですか?

【黒澤】
私たちが最初に伝えているのは、当たり前のように生きている地球は素晴らしい偶然の重なり合いで出来た星であるということです。それをまずは感じてほしいと思っています。

私たちがすべてを話し終える前に子どもたちから「奇跡じゃん!」「すごい!」という言葉が出てくることがあるのですが、子どもたちが地球の奇跡を感じ取って反応してくれる瞬間を直に見られるのがとても嬉しいです。大人の場合は、地球の道460メートルを歩き終えた時に自分が当たり前のように送ってきた生活を顧みて、このままでは良くないと感じられて涙を流される方もいます。

【田中】
地球とどう向き合うかということを小さい子どもの頃から伝えることは本当に意義のあることだと思います。子どもたちが環境に対して幼いころから意識をもって、身の回りの大人に対して、「そういうことしちゃだめよ」と言えば、大人も「あぁ、すみません」となりますよね。大人は世の中では消費者という立場なので、例えば環境に負荷の高い製品を買うのはやめておこうとなります。すると当社も含め、企業の行動も変わっていくと思います。長い目で見ると子どもの教育に力を入れるということが、時間がかかるようで効果の高いことなのではないかと改めて思います。

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デロイト トーマツ グループの取り組みも教えてください。

【田中】
デロイト トーマツ グループでは全世界のネットワーク全体で2030年までに5000万人の方に対して、教育、スキル開発、機会創出の3つの分野においてポジティブな影響を与えることを目指したWorldClassという取り組みを行っています。今回の今治.夢スポーツさんとの取り組みについては、まさに教育という分野に合致しています。

また、WorldClimateという取り組みも今年から新たに立ち上げました。危機感を持って気候変動に対応するという内容です。例えば2030年までに事業活動における温室効果ガス排出を正味ゼロにするという大きな目標を掲げています。具体的な対策として飛行機での出張を減らしてweb会議を行ったり、オフィスでのエネルギーを100%再生エネルギーにしたり、社有車をすべて電気自動車やハイブリッドに切り替えたりといったことを検討しています。

どの様な経緯で環境教育冊子を共同作成することになったのでしょうか?

【黒澤】
デロイト トーマツさんには2015年のRe:Start時より支えてきてもらっていましたが、理念を実現するためのアクティベーションはなかなかできていませんでした。今シーズンは、おかげさまでJリーグに上がるという一つの目標が達成できたので、これからはソーシャルインパクトパートナーとして、次世代のため、という私たちの理念と、デロイト トーマツさんのWorldClassの考え方と合致する環境教育におけるアクティベーションでシナジーを生めないかという話になりました。
色々と検討するなかで、現状では環境教育プログラムが単発の楽しい遠足で終わってしまい、我々の想いの定着には至っていないという課題を解決し、継続性のある教育とするために冊子を作ろうということになりました。理想を言えば小中学校の義務教育課程のすべての学年で冊子を配布し、例えば毎年夏休みに配布して意識してもらうというような形に発展できたらと思っています。

後半では、環境教育冊子の具体的な内容や、冊子に込められた想いなどをお二人に語っていただきます。

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